殺人犯は誰か?

 ある三人の旅人、AとBとCが別々にサハラ砂漠を旅していました。ある夜、彼らは砂漠上の ある場所で出会い一緒にテントを張りました。 AはCを憎んでいて、Cの水筒の水(これがCの唯一の飲み水)に毒を入れて、彼を殺そうと決心 しました。これとはまったく無関係に、BもCを殺そうと決心し(Cの水にすでに毒が入っている のを知らずに)、Cの水筒に小さな穴をあけて少しずつ水が漏れるようにしました。結局、 翌朝三人が別々に旅立ったのち、数日後にCはのどの渇きのために死んでしまいました。 さて、AとBのどちらが殺人犯になるのでしょうか?
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考察

 一説によれば、Bが殺人犯です。なぜなら、CはAが入れた毒を全然飲まなかったのだし、従って CはたとえAが水に毒を入れなかったとしても死んでしまったはずだからです。これと反対の説に よれば、Aが真の殺人犯です。なぜなら、Bの行為は結果にまったく何の影響も及ぼしてないから です。Aが水に毒を入れたからには、Cの運命は定まっていたわけで、たとえBが穴をあけなかった としても、Aは死んでしまったはずです。……まったくラチがあきませんな(汗)。アメリカの裁判 風に言うと……

Bの弁護人「ある人間の水筒から毒の入った水を抜き取ることは、その人間を殺すことにはなら ない!どちらかといえば、Bの行為はおそらくAの生命を引き延ばすのに役立っただけだろう。 なぜなら、毒による死は渇きによる死より早いと思われるからである」
Aの弁護人「実際にはCは一滴も毒を飲まなかったのに、一体正気の人間がAを毒殺のかどで有罪 にできるものでしょうか?」

……この裁判の結果は陪審員次第ですね(苦笑)。難問です!あなたはどう思いますか? この問題は本来、論理問題にいれるべき問題ですが、はっきりした結論が出ないのでこちら の方に入れました。まあ、道徳的見地から見れば二人とも殺人の意図については、有罪なんで しょうけどね。法律的にはどうなるのやら。因果関係の概念を含む純粋に科学的な角度から 見ることもできそうですが……どうなるのかわかりません(汗)。いろいろな角度から見ること ができるという点でも、やっかいな問題です!
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